学校コミュニティ危機への心の支援

~ 予防・準備から事後対応まで ~

ご挨拶


学校コミュニティ危機と心の支援プロジェクト
代表 窪田由紀

 

 学校は、子どもたちにとって家族についで最も身近なコミュニティであり、一人ひとりの子どもがさまざまな「人・もの・こと」との出会いを通して、こころと体の成長を実感し、自らの関心と強みに応じて社会の中に居場所を獲得できるよう、育む場です。

 子どもたちが、学校生活の中で出会うさまざまな出来事を自身にとって意味のある体験として生かすためには、何より学校は安全で安心できる場である必要があります。

 

 テロや銃撃事件が学校危機の例として必ず示されているアメリカやヨーロッパに比べて、日本の学校は長い間安全だと信じられてきました。しかしながら、ご承知の通り、1990年代の終盤から、特殊な事件とは言え、神戸連続児童殺傷事件、伏見小学校殺害事件など学校を現場として子どもが犠牲になる事案が続き、2001年の池田小学校事件は日本中を震撼させました。学校の安全神話は完全に崩壊したといってよいでしょう。

 また、人間の力では防ぎ得ない大規模自然災害が生じた際には、学校も否応なく巻き込まれ、子どもたちの尊い命や大切な日常が奪われてしまいます。残念ながら、国を挙げての対策によって自死の全体数は減少傾向にあるにも関わらず、子どもの自死は減らないどころか、中学生に至っては増加傾向にあります。身近な人の突然の死は、自死に限らず、周囲の人々に深刻な影響を与えます。一向に減る気配のない教師の不祥事も、子どもたちにとっては大人への信頼感を揺るがす重大な危機となります。

 

 学校の安全・安心は、じっとしているだけで保証されるものではありません。

 危機を最大限予防し、起こった場合に備えておくかは、学校関係者に関わらず、子どもの健やかな成長を願うすべての大人にとって重要な課題です。

 本ホームページは、私どものこれまでの実践と研究や国内外の先行事例を参考に作成しました。子どもに関わるすべての皆様の、危機に備えての日ごろからの取組みの際に、また、危機発生直後の対応の際に参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

学校コミュニティ危機と心の支援プロジェクトとは


   
   

 

福岡県臨床心理士会では、2000年から学校危機後の心の支援のプログラムを作成し、教育委員会との連携で事件・事故に遭遇した学校へ迅速に支援を提供してきました。

本プロジェクトはその中心となったメンバーを含む臨床心理士6名からなり、プログラムの効果を検討するための研究や、学校関係者・スクールカウンセラー等への研修などを行っています。

 

窪田由紀・林幹男・樋渡孝徳・向笠章子・山下陽平・山田幸代(50音順)

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