学校コミュニティ危機への心の支援

~ 予防・準備から事後対応まで ~

学校コミュニティの危機

 

学校コミュニティの危機とは


 

学校コミュニティには、当該校に通う子ども、保護者、教職員にとどまらず、地域に暮らす人々や場合によっては現在はその地を離れている卒業生など、多様な人々が含まれています。

さまざまな背景を持つ人格発展途上にある子どもたちは、学校生活のなかで思うように成果が出せずに苦しんで不登校になったり、投げやりになって暴力的になることもあります。家庭内に暴力が生じて、子どもが直接・間接に被害を受けることもあります。このような子どもの個人的な危機が起こった場合、学校コミュニティは、教職員を中心に、学校内で管理職、担任、生徒指導、養護教諭、スクールカウンセラーなどがチームになって、保護者や子ども自身と話し合いながら、解決に向けて対処していきます。必要に応じて、地域の民生委員・児童委員、児童相談所や医療機関などの専門機関とも連携しながら、子どもが日常を取り戻せるように支援します。

このように、危機が特定の個人に限られており、またその深刻さの程度が一定の範囲にとどまっている限り、子どもたちの個人的な危機は、学校コミュニティの本来の力を発揮して対応することができるのです。

 

しかしながら、子どもが自ら命を絶つ、子どもが事故に巻き込まれて多数の死傷者が出る、教師の不祥事が大きく報道される、子どもが逮捕される、地域全体が自然災害に襲われる、などといったように、多くの人々が直接・間接に影響を受けるような重篤な出来事が生じると、学校コミュニティ全体が混乱してしまいます。日ごろは学校コミュニティの中心となって子どもの教育指導・支援を担っている教職員にも不安や動揺が生じ、冷静な判断ができないような事態にもなります。保護者や地域も、日ごろは教職員と協力して事態に取り組んでいるのですが、このような場合には不安のあまり原因追求に走り、学校の落ち度を指摘するばかりで、さらに教職員を疲弊させることにもなりかねません。

学校コミュニティの危機とは、子ども、教職員、保護者、地域の多くの人々を巻き込む突然の衝撃的な出来事によって、学校コミュニティが混乱し、本来の機能を発揮できなくなることです。結果として、ケアを必要とする子どもたちは、教職員や保護者にその反応を十分に受け止めてもらうことができず、辛い状態が長く続いたり、より深刻な状態に陥る危険性もあります。

 

 

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